今回は、主に調剤薬局に勤めている薬剤師さん向けに書いていきます。
あなたは、独立開業したいですか?
私はもともと開業なんて興味なかったので、『逃げ』の開業をしました。
理想の薬局を開きたい、もっとお金が欲しい、社長になりたい、そういった前向きな開業ではなかったのです。サラリーマンが嫌で嫌で逃げるかたちで開業しました。開業を決めたら半年で法人を作って、その3ヶ月後に薬局を開設していました。当然、儲けが見込めないのに開業はしません。
来年度の役員報酬はサラリーマンの税込み年収でいうと2000万円以上の設定をしようと検討しています。ちょっと解説する前に結論を先に伝えますね。
結論:儲かるが、案件による
【 薬局 開業 】 薬局経営って儲かるの?
薬局の利益がどのくらいになるか、計算すれば簡単に儲けを予測できます。必要な情報は以下の数字です。
① 処方せん科目と1枚あたりの単価
② 1ヶ月の平均処方せん枚数
③ 1ヶ月の家賃
④ 1ヶ月の人件費
⑤ 1ヶ月の医薬品仕入れ費
⑥ 1ヶ月の諸経費(ザックリでいい
①処方せん1枚の単価
仮に内科だとすると、全国平均1枚8299円です。
内科は儲かりますね。
※2019年度厚生労働省の公開のデータ
②1ヶ月の平均処方せん枚数
1人薬剤師ができる範囲を想定します。
だいたい1日35枚が現実的なラインじゃないでしょうか。
週2日の休みで、月に22日ほど営業したとします。
35枚 × 22日 = 770枚
③1ヶ月の家賃
これは案件によってかなり左右する問題です。
賃貸案件なのか、物件買取案件(だいたい2000万〜)なのかで変わります。今回は賃貸物件を想定します。月に25万円の家賃とします。
④1ヶ月の人権費
扶養の範囲のパート2名:17万円
いきなり正社員雇用は現実的ではありません。
結婚していたら奥さんや夫にも手伝ってもらいます。
⑤1ヶ月の薬剤費
内科の全国平均の1枚あたりの薬剤費は5772円です。
5772円 × 770枚 = 444万
最終的な薬価差益を8.8%として、405万で購入します。
※2019年度厚生労働省の公開のデータ
薬価差益は各々で変わります
⑥1ヶ月の諸経費
これも案件により左右します。
主にレセコンや分包機のリース契約、固定資産の減価償却などが大きいです。基本的には、リース料、税理士顧問料、光熱費、通信費、備品消耗品費、薬剤師会費、車両費など。だいたい月に20万くらい。
営業利益を計算してみる
この6つの数字から、1ヶ月の営業利益を計算していきます。
① × ② − ( ③ + ④ + ⑤ + ⑥ ) = 172万
1ヶ月172万円で、1年で2064万円の営業利益が出ます。
ここから開業費として借りた融資の1年間の返済額を引いていきます。
※ここは各々の事情によって大きく異なります
役員報酬を決める
ます、役員報酬を決める前にどのくらい節税できるか計算しましょうをしましょう。
・賃貸の場合は、家賃の何割かを経費
・車のガソリン代や車検や保険も経費
・家の通信費や携帯も経費
・その他、レジャーや外食や書籍や日用品の一部も経費
年間営業利益から上記の節税した年間経費のだいたい9割を引きます。1割は自己負担と考えてください。自分の役員報酬を決める場合は、手元に一番多く残る方法で決めましょう。役員報酬とはいえ、社会保険や厚生年金も引かれます。家族を従業員にして、所得を分散させると節税効果も高まります。
そうすると、なんだかんだで案件によりますが、2年目くらいからサラリーマンでいうと年収2000万円近くかそれ以上の生活ができますよね。
まとめ
どうでしたか?現在チェーン薬局に勤務されている管理薬剤師さんなら①〜⑥の情報は手に入ると思います。他の店舗のデータも入手できるはずです。色々な店舗の情報を分析してみてください。
分析し、税金の仕組みを知った感想は、
『雇われってアホくさいなー』でした。笑